加藤郁乎詩集 (現代詩文庫 第) 作者: 加藤郁乎 出版社/メーカー: 思潮社 発売日: 1971/10 メディア: 単行本 クリック: 2回 この商品を含むブログ (8件) を見る シュルレアリスム風でまだかろうじて意味のとれる俳句から、言語破壊的なそれへと変遷していく。…

中桐雅夫詩集 (現代詩文庫) 作者: 中桐雅夫 出版社/メーカー: 思潮社 発売日: 1998/05 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 『荒地』の前身となった『LUNA』の詩人。詩人であることに意識的で、その立場から多数者への目線を強く持ち、人間存在を相…

高野喜久雄詩集 (現代詩文庫 第 40) 作者: 高野喜久雄 出版社/メーカー: 思潮社 発売日: 1999/10 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 無いことによって存在を示す神への接近、それがこの詩人の詩であるらしい。世界は沈黙のうちに閉じており、それ…

吉増剛造詩集 (現代詩文庫 第 1期41) 作者: 吉増剛造 出版社/メーカー: 思潮社 発売日: 1971/06 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (3件) を見る 言葉を、イメージを、全宇宙の瓦礫を装填して次々と撃ち出す運動の激しさでは、おそらく現代詩人の中でも…

大地の鼓動 柱状節理の四季 作者: 山本治之 出版社/メーカー: 光村推古書院 発売日: 2009/06/19 メディア: 大型本 クリック: 1回 この商品を含むブログ (1件) を見る 柱状節理とは、冷え固まった溶岩がちょうど田んぼのひび割れのようになって柱状に露呈した…

日和聡子詩集 (現代詩文庫) 作者: 日和聡子 出版社/メーカー: 思潮社 発売日: 2014/04 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 古風で特殊な言語感覚の中にユーモアや幻想や恋が通う。言葉の省略の仕方が絶妙で、阿と言えば吽と答えるようななんらかの…

長屋迷路 作者: 中野純,中里和人 出版社/メーカー: ピエブックス 発売日: 2004/11 メディア: ペーパーバック クリック: 1回 この商品を含むブログ (3件) を見る 東京・向島の風景。思えば東京は火災・震災・戦災の度に灰燼に帰していたわけで、外からの人の…

がたぴし翁が住んでいるというここまで来たのだから挨拶をしていこうと靴を脱いで上がっていったらちゃんと列に並んでくれと怒られてしまい肩の間でしゅんとしているそれで長いこと待ってきんぴかの仏像と立ち話などしているとあんたは親戚の者か と追求の手…

待合室には薄暗い死角がありその奥から話し声が聞こえてきた飲酒だとか喫煙だとかで入院中に規則を守らなかった男が強制的に退院させられて形の上では患者の治療拒否とのことで紹介状を持たされて転院する由厄介払いだなかばんを掛けて墓地に入っていく近道…

川崎洋詩集 (現代詩文庫 第 1期33) 作者: 川崎洋 出版社/メーカー: 思潮社 発売日: 1970/04 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 言葉にできないものへの認識があり、それを表現するために様々な方法を試みている点では、谷川俊太郎に近い（…

日本の銅像 作者: 金子治夫 出版社/メーカー: 淡交社 発売日: 2012/03/19 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 明治以降、西洋の技術を導入して進められた銅像設置は、政府主導の周辺環境の整備とともに昭和まで続き、銅像の戦時供出でほとんど消滅…

岡田隆彦詩集 (現代詩文庫 第 1期30) 作者: 岡田隆彦 出版社/メーカー: 思潮社 発売日: 1970/01 メディア: 単行本 クリック: 3回 この商品を含むブログ (3件) を見る 若いエネルギーに任せて、狂気やリビドーや諧謔、そして一抹の憂いを込めて突き進む猥雑な…

堀川正美詩集 (現代詩文庫 第) 作者: 堀川正美 出版社/メーカー: 思潮社 発売日: 1970/01 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 大雑把に作品を追っていくと、自然を描いてそこに永遠の力を見るもの、次いで現実の社会の影絵のごときものと変遷して…

白石かずこ詩集 (現代詩文庫 28) 作者: 白石かずこ 出版社/メーカー: 思潮社 発売日: 1969/11 メディア: 単行本 クリック: 3回 この商品を含むブログ (3件) を見る 朗読前提の詩なので、目で追う分には本来の味わいは伝わらないかもしれない。話し言葉の導入…

石原吉郎詩集 (現代詩文庫 第 1期26) 作者: 石原吉郎 出版社/メーカー: 思潮社 発売日: 1969/01 メディア: 単行本 購入: 2人 クリック: 5回 この商品を含むブログ (7件) を見る シベリア抑留の経験が前提にあるとはいえ、石原吉郎の詩は常に詩を書く現在にあ…

サイトのほうに今までの感想をまとめました。 http://www001.upp.so-net.ne.jp/s-kasuga/other.html 谷川俊太郎詩集 (現代詩文庫 第 1期27) 作者: 谷川俊太郎 出版社/メーカー: 思潮社 発売日: 1969/11 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 2回 この商品を…

関根弘詩集 (現代詩文庫 第 1期25) 作者: 関根弘 出版社/メーカー: 思潮社 発売日: 1969/01 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 都市の詩。自分とは関わりのない人々がすれ違っていき、各々が生きた存在を主張している、その悲哀を掬い上げる。「…

大岡信詩集 (現代詩文庫 第 1期24) 作者: 大岡信 出版社/メーカー: 思潮社 発売日: 1969/07 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 「明日おれは鮫であるかもしれないのだ。／だが明日おれは風であるかもしれないのだ。／旗であるかもしれない…

遠い日の絵本―谷内六郎画集 (1975年) 作者: 谷内六郎 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1975 メディア: ? この商品を含むブログを見る 世間的には『週刊新潮』の表紙を26年間担当した人ということで有名らしい。病弱のため窮乏し、絵も「病気で寝ている時の…

長谷川竜生詩集 (現代詩文庫 第 1期18) 作者: 長谷川龍生 出版社/メーカー: 思潮社 発売日: 1969/01 メディア: 単行本 クリック: 6回 この商品を含むブログ (4件) を見る この人は他の詩人と毛色が違うというか、叙情を排していることや書法の面でも他と隔た…

鈴木志郎康詩集 (現代詩文庫 第 1期22) 作者: 鈴木志郎康 出版社/メーカー: 思潮社 発売日: 1969/04 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (5件) を見る 自己を言葉にする／言葉を自己にするという、互いに犯し犯される言葉との関係。これは追求すればする…

高橋睦郎詩集 (現代詩文庫 第 1期19) 作者: 高橋睦郎 出版社/メーカー: 思潮社 発売日: 1969/03 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 5回 この商品を含むブログ (6件) を見る 同性愛が主題の耽美な言葉の世界。決定的に欠けた自己を埋めるために己と同じも…

那珂太郎詩集 (現代詩文庫 第 1期16) 作者: 那珂太郎 出版社/メーカー: 思潮社 発売日: 1969/11 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (3件) を見る 「無をまさぐる その断崖の／ゆびのをののき」（「てのひらの風景」） 虚無の中で営まれる生、無へと消尽し…

安水稔和詩集 (現代詩文庫) 作者: 安水稔和 出版社/メーカー: 思潮社 発売日: 1969/04 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 詩人が世界と対峙して言葉を発する時、つまり認識と詩が重なる一点において必要とされるのは、ある種の抵抗力である。この…

ラジオドラマの黄金時代 作者: 西沢実 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2002/03 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 111回 この商品を含むブログ (3件) を見る NHK嘱託の放送作家として往年のラジオドラマに関わった人物による回顧録。ラジオドラ…

吉野弘詩集 (現代詩文庫 第 1期12) 作者: 吉野弘 出版社/メーカー: 思潮社 発売日: 1968/08 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (5件) を見る 以前はあざとく感じられて苦手だったが今読んだらとても良かった。まず虚無の認識があって、それに抗う形で生…

僕は写真の楽しさを全力で伝えたい! (星海社新書) 作者: 青山裕企 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2012/08/24 メディア: 新書 クリック: 1回 この商品を含むブログ (3件) を見る 写真が好きなあまりに写真家になったという著者の自伝と初心者向け実践。自…

鮎川信夫詩集〈現代詩文庫〉 作者: 鮎川信夫 出版社/メーカー: 思潮社 発売日: 1968/04 メディア: 単行本（ソフトカバー） この商品を含むブログ (5件) を見る 難解な戦後詩を代表するような詩人・鮎川信夫。戦争をまともに引き受け、生き残った者の意義を証…

長田弘詩集 (現代詩文庫 第 1期13) 作者: 長田弘 出版社/メーカー: 思潮社 発売日: 1968/09 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る 同時代のいくつかの死を前に、青春期の死の誘惑を振り払って生の方向に歩みを進める。その意識が戦後詩の状況…

幻獣図鑑―詩集 作者: 秋元炯 出版社/メーカー: 花神社 発売日: 2010/10 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 一篇一篇がストーリーを感じさせるもので、詩の掌編的な側面がよく出ている。夢のあやふやさを定着させたような詩が多い。三十年を母の胎…