ノート
短歌「ぺちゃんこ猫」 ユーモアのセンスがないねあなたには ぺちゃんこ猫に怒られる朝 猫の轢死体を「ぺちゃんこ猫」と言い換えて、それが自身の死をユーモアとして笑い飛ばす趣向。特にどうということはないが日常的な悲惨を笑う道化的な振る舞いは重要。 …
竹内英公子『ネルヴァル『十月の夜』 : 絶対の真実をめぐる二つの時間観念』 『十月の夜』発表当時のレアリスムの起源と流行について、そしてネルヴァルがレアリスムに対してどのように応じたかを論じる。レアリスムは「庶民」の現実を描くことで彼らを等閑…
現在ネットで読めるゼーバルト関連論文は以下。研究者の鈴木賢子さんによる論が主になります。Google Scholarの検索に頼っているので他に取りこぼしがあるかも。 鈴木賢子「W. G. ゼーバルトにみるイメージ認識と想起の閾」(PDF直リンク) ゼーバルト作品に…
石川美子『喪としての自伝』 愛する者を失ったロラン・バルト、シャトーブリアン、アウグスティヌスらの自伝作品を「喪の作業」と位置づけ、その「喪」の乗り越えにあたって自伝が抱え持つ逆説の構造を論じる。自伝だけではなく時間と記憶の中で書くことその…
リナ・ジョネス画『ドワイエネ礼拝堂の廃墟』 Lina Jaunez ネルヴァルは過ぎにし青春を回顧する『ボヘミアの小さな城』で、今はないドワイエネ街(Doyenné)で仲間と暮らした日々の思い出を綴っている。その中の一節。 「我々の宮殿はとりこわされた。過ぐる…