2013-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『ラ・フォンテーヌの寓話』 、エルンスト・ユンガー『パリ日記』

ラ・フォンテーヌの寓話 (現代教養文庫)作者: ジャン・ドラ・フォンテーヌ,ギュスターヴドレ,窪田般弥出版社/メーカー: 社会思想社発売日: 1987/09メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る ドレ挿画。それぞれの話は動物や極端な人物を用いて道徳を…

シェイクスピア『タイタス・アンドロニカス』、ラス・カーズ『セント=ヘレナ覚書』

シェイクスピア全集 12 タイタス・アンドロニカス (ちくま文庫)作者: ウィリアム・シェイクスピア,松岡和子出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2004/01/11メディア: 文庫 クリック: 9回この商品を含むブログ (8件) を見る 「この胸にあるのは復讐、手にあるの…

池上俊一『動物裁判』、『ドイツ幻想小説傑作選』

動物裁判 (講談社現代新書)作者: 池上俊一出版社/メーカー: 講談社発売日: 1990/09/17メディア: 新書購入: 2人 クリック: 25回この商品を含むブログ (17件) を見る 動物が人間を襲う事件は現代でもままあるが、中世において人間を害した動物は、裁判にかけら…

『私は幽霊を見た』、『厭な物語』

私は幽霊を見た 現代怪談実話傑作選 (文庫ダ・ヴィンチ)作者: 平山蘆江,火野葦平,水木しげる,山田野理夫,阿川弘之,新倉イワオ,石原慎太郎,稲川淳二,佐藤春夫,長田幹彦,富沢有為男,徳川夢声,池田彌三郎,平野威馬雄,三浦朱門,遠藤周作,柴田錬三郎,東雅夫出版社…

シャーリー・グリーン『避妊の世界史』、木内昇『東京の仕事場』

避妊の世界史 (1974年)作者: シャーリー・グリーン,金沢養出版社/メーカー: 講談社発売日: 1974メディア: ?この商品を含むブログを見る いつの時代でもどこの国でも問題となってきた避妊について、各種方法から迷信にいたるまで様々に紹介している。人間の試…

ジャン・ポール・クレベール『動物シンボル事典』、高山宏『近代文化史入門』

動物シンボル事典作者: ジャン・ポールクレベール,竹内信夫,西村哲一,アランロシェ,柳谷巖,瀬戸直彦出版社/メーカー: 大修館書店発売日: 1989/10メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 3回この商品を含むブログ (5件) を見る 神話や伝承の世界には人間の思い…

夜の歌

埋められないもの菫の青肩に触れる風新しい靴底で感じる地面の硬さ夜にはずっと夜の歌を花には静かな生きることがまだ残されていた

中村圭子『魔性の女挿絵集』、赤松啓介『差別の民俗学』

魔性の女挿絵集 ---大正〜昭和初期の文学に登場した妖艶な悪女たち (らんぷの本)作者: 中村圭子出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2013/03/22メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 展示も見てきたけどこの本のほうがいいかも(視力が弱いので)。…

杉浦日向子『百物語』、田中純『建築のエロティシズム』

百物語 (新潮文庫)作者: 杉浦日向子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1995/11/30メディア: 文庫購入: 14人 クリック: 56回この商品を含むブログ (93件) を見る 怪談というものはそれが理性の範疇に組み入れられることで異界の香りを失う。人は理でもって闇を…

野村修『ベンヤミンの生涯』、渡辺守章『パリ感覚』

ベンヤミンの生涯 (平凡社ライブラリー)作者: 野村修出版社/メーカー: 平凡社発売日: 1993/08メディア: 新書購入: 1人 クリック: 9回この商品を含むブログ (9件) を見る ベンヤミン入門に手に取った。ベンヤミンが生涯を通じて関わることになった「天使」の…

加藤郁美『切手帖とピンセット』、クラーク・アシュトン・スミス『アヴェロワーニュ妖魅浪漫譚』

切手帖とピンセット 1960年代グラフィック切手蒐集の愉しみ作者: 加藤郁美出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 2010/01/15メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 31回この商品を含むブログ (14件) を見る 様々なテーマ・国ごとに良デザインの切手を紹介し、合…

中井英夫『悪夢の骨牌』、H・R・ウェイクフィールド『ゴースト・ハント』

悪夢の骨牌 (1973年)作者: 中井英夫出版社/メーカー: 平凡社発売日: 1973メディア: ?この商品を含むブログ (1件) を見る 初・中井英夫。長らくネームバリューに怯んで手を出せなかった。十二篇の連作から成る本書は、失踪した二青年から送られてくる現実とも…

論文メモ(十月の夜、クーブラ・カーン、自然の鉛筆)

竹内英公子『ネルヴァル『十月の夜』 : 絶対の真実をめぐる二つの時間観念』 『十月の夜』発表当時のレアリスムの起源と流行について、そしてネルヴァルがレアリスムに対してどのように応じたかを論じる。レアリスムは「庶民」の現実を描くことで彼らを等閑…

レオ・ペルッツ『夜毎に石の橋の下で』、エルヴェ・ギベール『召使と私』

夜毎に石の橋の下で作者: レオ・ペルッツ,垂野創一郎出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 2012/07/25メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 222回この商品を含むブログ (35件) を見る 中世プラハを舞台に、ルドルフ二世、ラビ・レーウ、商人マイスルといった…

中井久夫『徴候・記憶・外傷』、内田百閒『東京日記』

徴候・記憶・外傷作者: 中井久夫出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2004/04/02メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 22回この商品を含むブログ (43件) を見る 思いのほか専門的で難儀した。ゆるやかに関連しながらもいくつかのテーマに分かれているので、…

田中純『冥府の建築家』、天沢退二郎『雪から花へ』

冥府の建築家―― ジルベール・クラヴェル伝作者: 田中純出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2012/12/19メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (7件) を見る 幻想小説『自殺協会』を著し、未来派演劇で活動、南イタリア・ポジターノに異形の塔…

ネルヴァル全集〈1〉、kashmir『てるみな 1』

ネルヴァル全集〈1〉 (1975年)出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1975メディア: ?この商品を含むブログを見る 一九世紀フランス、ネルヴァルはロマン派の詩人として活躍したのち、狂気に陥って自死を遂げた。彼が首を吊っていたヴィエーユ・ランテルヌ通りは…

初見健一『ぼくらの昭和オカルト大百科』、国吉和子『夢の衣裳・記憶の壺』

ぼくらの昭和オカルト大百科 (大空ポケット文庫)作者: 初見健一出版社/メーカー: 大空出版発売日: 2012/11/14メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 4回この商品を含むブログ (5件) を見る オカルトがメディアを通じて隆盛した70年代(特に73年)を中心に、終末…

ゼーバルト関連論文

現在ネットで読めるゼーバルト関連論文は以下。研究者の鈴木賢子さんによる論が主になります。Google Scholarの検索に頼っているので他に取りこぼしがあるかも。 鈴木賢子「W. G. ゼーバルトにみるイメージ認識と想起の閾」(PDF直リンク) ゼーバルト作品に…

赤江瀑『海峡』、能登路雅子『ディズニーランドという聖地』

海峡―この水の無明の真秀ろば (1983年)作者: 赤江瀑出版社/メーカー: 白水社発売日: 1983/08メディア: ?この商品を含むブログを見る 俳優として将来を待望されるも精神に変調をきたしてしまった友人を追懐しつつ、彼岸と此岸を隔てる、あるいはそれ自体が道…

世界幻想文学大全

世界幻想文学大全 幻想文学入門 (ちくま文庫)作者: 東雅夫出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2012/11/07メディア: 文庫 クリック: 9回この商品を含むブログ (12件) を見る 幻想文学についての論を集めたアンソロジー。幻想文学とはどういったものを指すのか…

論文メモ(記憶、異界、パリ)

石川美子『喪としての自伝』 愛する者を失ったロラン・バルト、シャトーブリアン、アウグスティヌスらの自伝作品を「喪の作業」と位置づけ、その「喪」の乗り越えにあたって自伝が抱え持つ逆説の構造を論じる。自伝だけではなく時間と記憶の中で書くことその…

アーサー・マッケン『怪奇クラブ』、エイモス・チュツオーラ『やし酒飲み』

怪奇クラブ (創元推理文庫)作者: アーサーマッケン,Arthur Machen,平井呈一出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 1970/06メディア: 文庫 クリック: 5回この商品を含むブログ (16件) を見る ロンドンの街で二人の文士が様々な人物から奇怪な話を聞く「怪奇クラ…

マルグリット・ユルスナール『東方綺譚』、Mei(冥) Vol.2

東方綺譚 (白水Uブックス (69))作者: マルグリット・ユルスナール,多田智満子出版社/メーカー: 白水社発売日: 1984/12メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 47回この商品を含むブログ (29件) を見る オリエント世界に取材した短篇集。出自をヨーロッパに持つ…

つげ義春『ねじ式』、ポー詩集

つげ義春コレクション ねじ式/夜が掴む (ちくま文庫)作者: つげ義春出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2008/10/08メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 48回この商品を含むブログ (53件) を見る 夢を描いた作品と、漫画家の若夫婦を主人公にした作品、それぞれ…

プリンター

画面上でテキストを読むのはつらいのでレーザープリンターを導入した。やはり紙で手に取れるのは安心感が段違いで、ネットで見つけた論文を刷っては読んでいる。読んだ本の理解を論文で深めたり広めたりする感じ。青空文庫なども活用していきたいな。

失われたドワイエネ礼拝堂の廃墟

リナ・ジョネス画『ドワイエネ礼拝堂の廃墟』 Lina Jaunez ネルヴァルは過ぎにし青春を回顧する『ボヘミアの小さな城』で、今はないドワイエネ街(Doyenné)で仲間と暮らした日々の思い出を綴っている。その中の一節。 「我々の宮殿はとりこわされた。過ぐる…

G.H.シューベルト『夢の象徴学』、マルセル・ベアリュ『水蜘蛛』

夢の象徴学 (1976年) (ドイツ・ロマン派叢書)作者: G.H.シューベルト,深田甫出版社/メーカー: 青銅社発売日: 1976/12メディア: ?この商品を含むブログを見る 著者シューベルトは講演『自然科学の夜の側についての見解』でロマン主義の人々に影響を与えた人物…

デカルト『方法序説』、ハラルト・シュテュンプケ『鼻行類』

方法序説 (岩波文庫)作者: デカルト,Ren´e Descartes,谷川多佳子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1997/07/16メディア: 文庫購入: 31人 クリック: 344回この商品を含むブログ (192件) を見る 有名な「我思う故に我あり」について今更ながらに確認。デカルト…