青山裕企『僕は写真の楽しさを全力で伝えたい!』、植田正治『写真とボク』

 

僕は写真の楽しさを全力で伝えたい! (星海社新書)

僕は写真の楽しさを全力で伝えたい! (星海社新書)

 

写真が好きなあまりに写真家になったという著者の自伝と初心者向け実践。自分の眼の癖を見極め、そこから個人のテーマを掘り下げていくというのはためになったな。この本全体にしても「自分探し」がテーマにある感じ。

 

写真とボク

写真とボク

 

 植田正治の仕事を俯瞰できる一冊。当初は画家を志したが果たせなかった点からも、ヨーロッパのモダニズムの影響を受けたというのが頷ける。人物をオブジェのように配し、日常では普通目にしないかっちりした構成にすることで超現実的な世界が現出する。それにプラスして、一貫して地方に留まったということでしつこくない程度に土俗が香る。「中央」とか「現実」とかいうものと隔たった静的な芸術。