五十嵐太郎『読んで旅する世界の名建築』、古川日出男『アラビアの夜の種族』

 

読んで旅する世界の名建築 (光文社新書)

読んで旅する世界の名建築 (光文社新書)

 

 旅行記なのか建築エッセイなのか振りきれない…。徒然っぷりがノイズなので適度に流しつつ気になるところを拾った。オットー・ワーグナー、ヨセフ・ホホル、サン・ロレンツォ聖堂、…「ハイテクでは、高度なテクノロジーを見せることが表現に直結し、力の流れを可視化しているのだ。」

 

アラビアの夜の種族〈1〉 (角川文庫)

アラビアの夜の種族〈1〉 (角川文庫)

 

 これはもう絶対に面白いとわかっているので辛い時用に積んでおいたが、うっかりと手を出してしまった。千夜一夜ウィザードリィ。物語ぢからが半端ねえです。ああおもしろい。

 

アラビアの夜の種族〈2〉 (角川文庫)

アラビアの夜の種族〈2〉 (角川文庫)

 

 ついにナポレオン軍の侵略を許すエジプトと、それに抗するための夜譚りの夢幻世界。風雲急を告げ、悪夢が現実を侵食しはじめた今、事ここに至っては夜の種族たちも安穏とはしていられないがはたして…?

 

アラビアの夜の種族〈3〉 (角川文庫)

アラビアの夜の種族〈3〉 (角川文庫)

 

 幕切れは呆気ない。語られたことは書物に姿を変え、災厄をまき散らし続ける。だがこの災厄とはなんぞやと考えた時、それがすでに闇夜を生きる我々の一部となっていることに気付く。物を語り、あるいは騙り、波濤のように押し寄せる滅びを一時でも食い止め、次の朝と夜を越えて生きる不滅の呪詛が。