谷川正己『フランク・ロイド・ライトの日本』、『近現代建築』

 

 建築家フランク・ロイド・ライトの浮世絵蒐集家としての一面を取り上げる。ボストン美術館を中心としたアメリカの浮世絵コレクションの大部分がライトによってもたらされたというほどで、有数の蒐集家でありディーラーでもあった建築家の足跡が明らかにされる。建築への日本美術の影響についてはあったとしながらもわりと慎重な記述で、あくまでも背景を知るには良い一冊。

 

近現代建築 (アート・イン・ディテール)

近現代建築 (アート・イン・ディテール)

 

 近現代の代表的な建築20点をビジュアルで紹介する。特筆すべきは本の造りで、ページに空いた覗き窓から写真の一部をクローズアップしてディテールを取り上げている。建築のチョイスも納得の行くものばかりで現代までの潮流をざっと見渡せる。良書です。