2014-01-19 お供え 詩 夜中に窓枠がぴしりと鳴る 夢のなかから呼び戻されて 枕元をさぐった手に触れるものがあり それは感触で人の耳だとわかる よく見えないがそれはたしかに二切れの耳で ゴムのおもちゃのようにも思える あるいは狩ったねずみを主人に供えるようにして 猫がここに置いていったのかもしれないが うちでは猫なんか飼ったことはない するとこれはいったいどうしたことだろう おそるおそるこめかみに手をやり 自分の耳を確認するわたしを 巨大な猫がおもしろそうに見ている