2014-01-20 赤信号 詩 赤信号で立ち止まったとき うしろから歩いてきた人がすうっと追い越していって そのままむこうへ渡ってしまった その自然な様子に呆然とする 自分もその人と同じようにして渡ってしまいたいのに いつ猛スピードで車が突っこんでくるかと 決心がつかなくてえんえんと行きあぐねている その人の行く先はたぶん同じだったのに 今はもううしろ姿も見えなくなってしまった 川沿いに工事のランプが灯っていて マンホールの下を水がゆっくり流れている 家では病気の人が待っているのに 赤信号はいつまでも変わらない 家では病気の人が待っているのに