鷲巣力『自動販売機の文化史』、西澤泰彦『日本の植民地建築』
自動販売機を成立させるためには工業技術の発展と貨幣経済からなる消費社会が前提として必要とのこと。ただ、日本でここまで普及したのは国民の同質性が関係しており、ヨーロッパは階級社会なので普及しなかった、みたいなのは、まあそういうところもあるんだろうなとは思うものの俗流文化論っぽくて眉に唾つけながら読んだ。結構データを羅列するような本なので一通りさらっと。
日本の植民地建築―帝国に築かれたネットワーク (河出ブックス)
- 作者: 西澤泰彦
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2009/10/09
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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東アジアの日本の植民地建築における人・物・情報の様相を論じる。日本を経由せずに支配地相互間の移動があり、列強支配の都市から実地に学ぶ機会が多かったことから、日本の植民地建築は世界水準に達していた。また、台湾などでは風土の特性から鉄筋コンクリートの改良が進められている。当時の「辰野式」の影響の大きさやコンペの様子もわかって興味深い。