田沼武能『戦後の子供たち』、柴田秀一郎『バス停留所』

 

戦後の子供たち―田沼武能写真集

戦後の子供たち―田沼武能写真集

 

 仕事に駆り出されたり幼少の面倒を見たりと状況の悪さは窺えるものの、基本的には元気いっぱい。というか君らどこでも遊んでるな。学校まであったという月島の水上生活者の子供たちが気になる。

 

バス停留所

バス停留所

 

 これはとてもよかった。バスが入れる場所ならどこにでもあって、公共のものだからごく簡単なコミュニティの機能も持つし、利用者にとって停留所はありがたい存在。なのにバス事業が廃れてきているせいか手入れは必要最低限だったりほとんどされてなかったりする。実用に則したギリギリの存在というか、どうにかすれば消えてしまう限界の地点でかろうじて現実を支えている。ここから異界まではあと一歩という気がする。田舎の風景にごろっとベンチ代わりのソファーが置かれているのなんてすばらしい。