水族

美しい骸骨を持つ人に会った

美しい詩を書きなさいという彼女は

まだ陸地を夢見ている

 

昨夜から降りはじめた雨は

静かに庭を濡らしている

窓ガラスに群がるおびただしい水滴

しずくの一粒一粒に映る

反転した光

 

それは雨がやめば消えてしまう

たまゆらに過ぎてゆく季節

美しい人の横顔よ

この世の光で作られた

詩をあなたに贈る