2014-01-29 赤飯三題 詩 むかし 納屋の整理をした折 古箪笥の引き出しを開けると 中が炊きたての赤飯でいっぱいだったことがある 春の川でとれた蟹の甲羅を剥ぐと どの蟹にも赤飯がぎっしり詰まっていたこともある それからこういう話もある 美人で知られたおんなが病気で死んで 湯灌の際に膨れ上がった腹を押したところ ぶりぶりととめどなく赤飯をひり出した 美人は死にぐそまで常人と違うのかと のちのちまでたいそう噂になった