2014-01-24 もやしヶ原 詩 眠りが足りなければ不思議なことが起きる その言葉を証明するかのように 何日も眠れずに机に向かっていると 足裏の感触がどことなくおかしい じゅうたんのあちこちからもやしが発芽して 生えに生えてとどまることを知らず いちめんにふよふよと風に吹かれている 見渡すかぎりの白い草原に 萌え出づる穂は寄せては返し そのはるか上空にはオーロラが輝き とよく見れば あれは部屋にかかるカーテン カーテンを開ければ窓 窓の外にはやはり生白いもやしヶ原が どこまでもどこまでも (病めるは昼の月) 地平線の彼方まで続いているのだった