2014-01-23 うで 詩 米びつから米をすくいあげていて 底になにか引っかかるものがあると思ったら しなびた腕がいっぽん 計量カップのふちに指を引っかけていた 取り出してごろりと畳に投げ出した それ 黒ずんだ腕はいつから米びつの中にあったのか わたしは知らないし家族も知らない 先祖が蔵いこんで忘れたのかもしれないし 腕もこんな漬物みたいになってさぞ無念だろう 夜には布団に入れて眠ることにした 風がびゅうびゅう吹く真夜中 なにか恐ろしい夢が足早に通りすぎていく と思えばなんのことはない 腕がわたしの首を絞めているのだ