なまこ料理

どこまで行っても焼けた道が続くものだから

どうにもやりきれなくなって

木陰で休んでいる行商に暑いですね

魚ですか? と聞いてみる

おばあちゃんはにこにこして

なまこを売りよんよ、と氷を敷き詰めたリヤカーから

新聞紙にくるんだそれを取り出してくれる

新しいけん焼いてん生でんおいしいよ

いくつか料理の仕方を教えてもらって

さて買って帰ったのはいいけれど

外は明るいのに部屋の中は暗い

こんな時に包丁を使うのはこわいな

などと怖気づいて冷蔵庫に入れておいたら

夜にはそれが凍ってしまって

ぐねぐねしていたものがほっそりと

紫のきゅうりの宝石になって輝いた