『自選 谷川俊太郎詩集』、『李賀詩選』

自選 谷川俊太郎詩集 (岩波文庫)

自選 谷川俊太郎詩集 (岩波文庫)

折あるごとに読んでいたがこうしてまとめて読むのは初めてだったりする。谷川俊太郎の詩の基調となるのは「存在すること」への驚異であって、そこから孤独や愛、あるいはどうやっても存在そのものに届かない言葉の無力さが綴られている。名作も駄作もあるけどそんなことはわりかしどうでもよく、「なんでもおまんこ」あたりを読むと地面に額を擦り付けて全力でごめんなさいしたくなる。感服しました。素晴らしいです。

李賀詩選 (岩波文庫)

李賀詩選 (岩波文庫)

「鬼才」李賀。漢詩といえば「月下独酌」みたいなものをイメージするが、李賀の詩はそれとは明らかに趣を異にする。神韻渺茫たる詩世界には神仙が遊び、時に鬼さえ姿を現す。「恨血千年土中碧」(恨みこもるわが赤き血潮は千代ののち碧玉と化して掘り出されん) デカダンスを先取りしたかのような夢幻の境地には魅了された。ぜひ愛読していきたい。