2013-07-10 お手玉 詩 冬に放った雪玉は 楡の木立を弾んで通り 地蔵の額にこつんと当たる なにかと思った地蔵は手を上げ 叩いた手には血を吸った蚊 閉めきった襖は光を遮り 格子はいつもかくかくと白い 赤いお手玉ぽんと投げて 闇夜の空に吸い込まれていく わたしのお手玉 わたしの心 天竺まで届け 届け届け