冬に放った雪玉は 楡の木立を弾んで通り 地蔵の額にこつんと当たる なにかと思った地蔵は手を上げ 叩いた手には血を吸った蚊 閉めきった襖は光を遮り 格子はいつもかくかくと白い 赤いお手玉ぽんと投げて 闇夜の空に吸い込まれていく わたしのお手玉 わたし…
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