気がかりについて

遅い帰り道は

雨に濡れててらてら光る

路側の白線に沿って歩くと

導かれているようで

なんだか安心する

 

そう

 

怖いものは何もない

たとえば気づかずに

かたつむりを踏みつぶしていた

なんてことも

 

階段を上がる

ドアを開ける

部屋の中の暗さが殺到する

靴を脱いで

電気をつけようとする

手探りで

スイッチが見つからない

 

ふと気づく

ぽたぽたと

ぽたぽたぽたぽたぽたぽたと

水道が何か話したがっている

ずっとそうしていたのか

朝から今まで

誰もいない場所で