2013-06-03 人魚 詩 夜明け前にはいつも街路樹が一瞬だけ背伸びをする 夜のうちに出されたゴミ袋は浅く水たまりに浸かって少しの間まどろんでいる生きていた時のこと本当に言ってほしかったこと使い古しの花瓶は砕けてどの夢もただの思い過ごしとして消えてしまうのだろう閉じた目蓋の奥で息をひそめて小さく歌う朝が嫌いな人魚が帰っていく