『イギリス名詩選』

イギリス名詩選 (岩波文庫)

イギリス名詩選 (岩波文庫)

対訳アンソロジー。錚々たる面子とはいえどうにも退屈でうつらうつらしながら読んでいたが、コールリッジ『忽必烈汗(Kubla Khan)』には思わず飛び起きた。他の牧歌的な詩、素朴な詩と比べると、これはなんと激しく美しい幻想だろう。この詩のページだけぽっかりと暗い淵が開いている気さえする。他はマシュー・アーノルド『ドーヴァー海岸』あたりもいいが自分にはコールリッジの衝撃があまりに大きかった。いずれ訳して芯まで味わってみたいと思う。