不穏な色をした空に 待ち焦がれていた雷が鳴ると 大急ぎで台所に立って ちぎったレタスにごま油と 塩を振ったものを用意する サラダボウルを抱え 窓の前に陣取り ぽつぽつと落ちてきた雨に もっと土砂降りになれ 空が割れるほどの大雨になれ などとうきうき…
雨戸を閉めきった家が並ぶ かんかん照りの通りを行く 夏の盛りの昼日中 打ち水のあとも乾き果てた道には 人も車も、猫の一匹もいない 影ですら焼きつくよう こんな時にどこからか トロイメライなんて流れてきたら 少しはいい気分になるかもしれない 雨戸の向…
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