夜道にて

夜道を歩いているとひんやりした腹が出る

ひんやりした腹 ぷるんと豆腐のよう

またぎ越していけばいいのにそれができなくて

地団駄踏んでるわたしの胸の奥に

おたまじゃくしがわらわら湧いてくる

これをおもいきり吐き出さなくちゃ

これをおもいきり吐き出さなくちゃ

あ でもその前に

さっきあっちで拾った牡丹の花を

腹に供えてやるのもいい

満月みたいなへその穴に挿してやるのもいい

まだそれくらいの時間はある

夜が明けるまで少しの刻はあるだろう

夢見られる夢がすべて

果てるまでは