盆踊り

原っぱに出かけよう

そこには盆の間にだけ

夏の組合の人たちが見え隠れし

錆びついた刃物や

色とりどりの皿を持ち寄って

陽気な盆踊りを踊っている

陽気な音楽に誘われて

物を知らない子供が迷い込み

消えてしまうなんてこともあるけれど

そんなことは別にいいのだ

朝はみな一斉に目を覚まし

心をうきうきさせて踊るのだ

暑い午後にはお茶やおにぎりもある

互いの格好なんて気にしないよ

いやそもそものこと

生きているのか死んでいるのか

来たのが誰だか探ってはいけないし

知ってしまったら小さなきのこになって

ごはんの具にされてしまうかも

まあそれはともかく

踊っていれば苦しさは吹き飛ぶし

互いの区別なんてつかないよ

いま胸のあたりを包丁で突かれた

あの人だって笑っているじゃないか

踊る人たちは汗を流し

ぜえぜえふうふうと楽しそうだよ

さあ音楽があるよ

酒もあるかも

酒だと思って飲んでみれば

醤油だったなんてこともあるけれど

愛嬌だってみな笑っているよ

組合の人たちは白い布を頭に被り

誰が踊っているかわかりやしない

ああ、肉と骨になって

原っぱでは踊りが続いているよ