鏡を覗くと知らない人が映っている 引きつった頬はまるで人さらいのようだ 人さらいの口から人さらいの牙がにゅうっと伸びてきて 葡萄の彫りのある鏡を突き破りそうになる あわてて毛布をかぶせて 奥の倉庫にしまっておくことにする 人さらいはこわい 人さら…
部品がいっぽん足りなくなって このままじゃあ埒が明かないから 町まで買いに行かせてくださいと頼んだのに ひょいひょいとあばら骨を抜かれて 蛸みたいに伸びている
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。