磯達雄『ポストモダン建築巡礼』、小林一郎『目利きの東京建築散歩』

 

ポストモダン建築巡礼

ポストモダン建築巡礼

 

 本書で紹介されているのは1975~1995年の建築で、高度成長が終わってバブルを経て世紀末に到るという変転の時期である。この時期に隆盛したポストモダニズムとは洗練が極まったモダンのカウンターとして試みられた様式のことで、特徴としては過去の様式の引用や表面の自由度が挙げられる。つまり変な建築が多い。加えて、あの頃の未来感・終末感や、経済的にはバブルの影響が形となって表れており、建築と時代との関わりについても考えさせられる。苦手意識の強かった現代建築もこんなに面白いものなのかと素直に感動した。

 

目利きの東京建築散歩 おすすめスポット33 (朝日新書 238)

目利きの東京建築散歩 おすすめスポット33 (朝日新書 238)

 

 東京の下町の散歩コースを紹介しつつ軽く建築知識が付く一冊。下町といっても江戸の区分なので、現在ではビル街になっているようなところも。皇居・東京駅周辺は調べると面白そうっていうか政治的に生臭そうだな。