画集など
- 作者: 倉方俊輔,斉藤理
- 出版社/メーカー: エクスナレッジ
- 発売日: 2010/08/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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明治~1970年までの都内16エリアの建築を紹介している。自分は図書館から借りてしまったが、街歩きの中で使ってこそ意義がある本なので注意されたい。本文でも、各建築を巡る途上で何かを感じてほしいということが再三言われている。
室町から戦国時代にかけて宮廷・幕府の絵所預職(御用絵師)を務めた人物。古典に通暁し、連歌会に参加するなどして政治的に立ち回って地歩を築いたとのこと。従来のやまと絵に中国画の技法やモチーフを取り入れた。本人の画は淡雅で流麗なのが特徴らしいが、個人というよりは土佐派の工房の存在を念頭に置いたほうがよさそうだ。
廃墟写真家として知られる小林伸一郎による人形(ひとがた)を集めた写真集。秘宝館から水子供養からなにかの記念館から、マネキンや銅像や仏像、人体模型まで、およそありとあらゆる場面に存在する人形を撮った写真が、特に解説もなく淡々と並べられている。一見してドギツさに圧倒されずにはいられないが、文字による情報がないからこそ、環境の中にただ存在する人形の声なき声が聞こえてくる気がする。それにしても隅々までキッチュ。子供は泣きそうです。
身も蓋もない言い方をしてしまうと、ただでさえきれいな自然の風景に神社などを置いて神秘性を付与すれば、美しくならないわけがない。そのためか、たとえば前景を巨木で占めて奥のほうに社がちらりと覗くというような、秘してこそそれが漂い出ると言わんばかりの神秘の演出が多々見られる。加えてデジカメ撮影で加工まで施したとのことで、ある意味普通では見られない風景が現前している。人間離れした風景はたしかに神のいる別世界を覗くようだった。春日大社なんて華やかで最高。
本書で言う素朴絵とは「リアリズムを目標としないおおらかな具象画」とのことで、平安以降江戸時代までの様々なジャンルのゆるい絵が集められている。絵師や職人は技術を尽くすことが求められるので、ゆるい絵となれば庶民の側に属するような、肩の力の抜けた民衆絵といっていいジャンルのものが割合多い。その意味で、本書は民衆絵の諸ジャンルを横断的に見渡せるのが楽しかった。寺社縁起絵に参詣曼荼羅、そして仙崖義梵や与謝蕪村の禅画は殊に味わい深い。
泥絵で見る大名屋敷 (GAKKEN GRAPHIC BOOKS DELUXE)
- 作者: 平井聖,浅野伸子
- 出版社/メーカー: 学習研究社
- 発売日: 2004/01
- メディア: 単行本
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泥絵具という舞台装置の背景などに用いる安い絵の具で描かれ、100%遠近法を意識しているのが「泥絵」とのこと。空と道路の空間を大きく取り、遠近法は誇張され、人物が描かれているにしても画一的な表現。泥絵具ののっぺりとした色合いとグラデーションで、画面には不思議と静謐な空気が漂っている。なんとなくキリコが江戸の風景を描いたらこうなるのではと思わせる。解説は描かれている大名屋敷や町並みについての言及が主で表現にはあまり踏み込んでいない。そんなに注目されてないジャンルなのかな。